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仕事履歴

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「著作一覧」

◆ B.A.D.シリーズ(本編全13巻、外伝4巻):ファミ通文庫
B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる (ファミ通文庫) B.A.D. 2 繭墨はけっして神に祈らない (ファミ通文庫) B.A.D. 3 繭墨はおとぎ話の結末を知っている (ファミ通文庫) B.A.D. 4 繭墨はさしだされた手を握らない (ファミ通文庫) B.A.D. 5 繭墨は猫の狂言を笑う (ファミ通文庫)B.A.D. 6 繭墨はいつまでも退屈に眠る (ファミ通文庫) B.A.D. 7 繭墨は人形の悲しみをかえりみない (ファミ通文庫) B.A.D. 8 繭墨は髑髏に花を手向けない (ファミ通文庫) B.A.D. 9 繭墨は人間の慟哭をただ眺める (ファミ通文庫) B.A.D. 10 繭墨は夢と現の境にたたずむ (ファミ通文庫) B.A.D. 11 繭墨は紅い花を散らす (ファミ通文庫)B.A.D. 12 繭墨は自らの運命に微笑む (ファミ通文庫) B.A.D. 13 そして、繭墨は明日もチョコレートを食べる (ファミ通文庫)

B.A.D. チョコレートデイズ(1) (ファミ通文庫) B.A.D. チョコレートデイズ(2) (ファミ通文庫) B.A.D. チョコレートデイズ(3) (ファミ通文庫) B.A.D.チョコレートデイズ(4) (ファミ通文庫)

◆ アリストクライシシリーズ(本編全三巻):ファミ通文庫
アリストクライシI for Elise (ファミ通文庫) アリストクライシII Dear Queen (ファミ通文庫) アリストクライシIII with you (ファミ通文庫)

◆ヴィランズテイル(全一巻):ファミ通文庫
ヴィランズテイル 有坂有哉と食べられたがりの白咲初姫 (ファミ通文庫)

◆異世界拷問姫シリーズ(連載中):MF文庫J
異世界拷問姫 (MF文庫J) 異世界拷問姫 2(MF文庫J) 異世界拷問姫 3(MF文庫J) 異世界拷問姫 4(MF文庫J) 異世界拷問姫5(MF文庫J)


◆幻獣調査員シリーズ:ファミ通文庫
幻獣調査員(ファミ通文庫) 幻獣調査員2(ファミ通文庫)


◆魔獣調教師 ツカイ・J・マクラウドの事件録 獣の王はかく語りき:Novel0
魔獣調教師 ツカイ・J・マクラウドの事件録 獣の王はかく語りき(Novel0)

「参加させて頂いた作品」

◆ アンソロジー:全ファミ通文庫(各一話ずつ短編を収録して頂きました)
ショートストーリーズ 3分間のボーイ・ミーツ・ガール (ファミ通文庫) 部活アンソロジー1 「青」 (ファミ通文庫) ホラーアンソロジー1 “赤 ホラーアンソロジー2 “黒 ショートストーリーズ 僕とキミの15センチ(ファミ通文庫)border=


◆ ログ・ホライズンTRPGリプレイ:エンターブレイン(プレイヤーセイネとしてゲームに参加させて頂きました)
ログ・ホライズンTRPG リプレイ 宵闇の姫と冒険者 ログ・ホライズンTRPG リプレイ ごちそうキッチンと病の典災 ログ・ホライズンTRPG リプレイ 山羊スラ戦車と終わらない旅 上 ログ・ホライズンTRPG リプレイ 山羊スラ戦車と終わらない旅 上 

「著作のメディアミックス作品」

◆ B.A.D.コミカライズ(榊原宗々先生に執筆して頂きました)
B.A.D. (1) (カドカワコミックス・エース) B.A.D. (2) (カドカワコミックス・エース) B.A.D.4コマ (カドカワコミックス・エースエクストラ)

◆ B.A.D.ドラマCD
FB CollectDrama01【B.A.D. 嗤う髑髏】

◆ 異世界拷問姫コミカライズ(倭ヒナ先生に執筆して頂きました)
ブログ用2 ブログ用2

◆ 幻獣調査員コミカライズ(星野倖一郎先生に執筆して頂きました)
ブログ用3

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アリストクライシ/設定確定前版草稿/冒頭

*こちらは「アリストクライシ」シリーズの設定確定前版の草稿/冒頭部分のみとなります。
発売済みの本版を読了前提推奨/また、発売版と比較して文章や構成に難がありますがご了承ください。
クリスマス後、この文章は予告なく削除する場合があります。



 長く冷たい冬の夜には、人でない者がさ迷い出る。
 気まぐれに窓を開いた時、貴方は呪われた存在に出会うかもしれない。

 その時は恐らく、空気さえ凍りつくような、寒い深夜だ。太陽の恵みは既に遠く、月光を受けた雪は、不吉な鈍い光を浮かべている。暗く眩しい世界の中、貴方はある存在に気づくだろう。家々の窓が全て閉じられた路地に、あるいは雪灯りに照らされた石壁の前に、さ迷い歩く異形の人影がある。

 ふらふらと酔ったように揺れる体は、薄く腐臭を漂わせているはずだ。生きている者の気配が全くしない。今すぐベッドに逃げ帰り、忘れられるのならば、そうするべきだろう。けれども、貴方が危険で甘美な好奇心に取り憑かれたのなら……人影に気づかれないよう近寄り、その喉元を確かめてみるといい。

 痛々しい縫い痕があれば、間違いない。それは呪われた存在である。
 それは、男の姿をしているはずだ。長い手足と、整った顔を見て、貴方は彼が生きているかのように錯覚するだろう。だが、彼の目には、一切の表情がない。貴方は恐怖を覚えるはずだ。生きているのに、生きていない。その差異が、貴方を酷く混乱させる。

 彼の体は、墓から掘り出した、新鮮な死体で作られている。死者を繋ぎ合わせた痛々しい縫い目が体中にあり、その顔は表情を持っていない。彼には感情がないのだ。邪悪な創造主は、その胸に心臓を入れ忘れた。血が通わない体に、人の心は宿らない。

 彼には心がない。故に、彼は悲しみも、苦しみも、喜びも、楽しみも知らない。

 死者から造られた『名前のない化け物(グラウエン)』には、心がない。
 目的も望みもなく、呪われた存在は、今日も罰のように一人きり、歩き続けている。

 だからこそ、善き人は、彼を見かけたなら、躊躇わず墓に返すといい。
 それこそが、彼にとっての祝福のはずなのだ。

                    ―――――――『名前のない化け物』序文
 
プロローグ


 長く重い冬は、死の匂いがする。寒さと、飢えと、暗く冷えた死者の匂いがする。
 本当は、そんなわけがない。だが、墓地で感じる冷気は、確かに死臭を含んでいた。

 人の死が場に刻み込む、重々しい不吉さ。それを、少女は苛立たしく思う。
 彼女は、手にしたスコップを振り降ろした。表面は凍った黒土を掘り出し、横に捨てる。豊かな森を切り取った墓地には、幾つもの墓石が並んでいた。死者の目印となるだけの、飾り気のない、重い石だ。その下に、棺桶が並んでいる。

 丈夫な棺桶は、容易に朽ちない。埋葬された骸は、土に触れることなく、黄ばんだ骨に変わる。墓地を包む森は深く、木々の幹は逞しく太い。緑の葉は、砂糖を被ったかのように白く濡れていた。色褪せた世界の中、少女は墓を掘り続ける。

 彼女の姿も、白と黒でできていた。細い体を覆う黒のコートは、しなやかで丈夫な獣の皮を思わせる。袖には、拘束具じみた無骨なベルトが並んでいた。肩までの銀髪は、雪の照り返しを受け、白く燃えている。蒼ざめた肌の中、目だけが晴れた空の色だ。
 見る者を、拒絶するような鋭い美貌だった。コートの下は男装だ。今すぐ舞踏会にでも参加するかのような夜会服を着ている。歪な姿で、彼女は一人、墓を暴いた。

 ―――――――ガッ

 スコップの先端が、固い何かに当たった。彼女は黙々と、残りの土を払う。樅製の棺桶が露わになった。蓋には花冠と祈りの言葉が、浮き彫りにされている。
土で汚れた蓋には、釘が打たれていた。少女は無表情に、スコップの先端を僅かな隙間にねじ込む。柄に全体重をかけると、スコップが折れそうにしなった。やがて釘は、耳障りな音と共に抜ける。少女が蹴り飛ばすと、雪煙をあげ、重い蓋は横に落ちた。

 棺桶の中には、痩せた青年が横たわっている。
埋葬されたばかりなのか、彼の体は朽ちていない。
 
青年は、眠っているだけにも見えた。髪は、枯れた紅色。痩せた喉元には、痛々しい縫い痕がある。太い糸が蚯蚓のように肉を這い、その周囲は、醜く引き攣っていた。
雪が、彼の頬に舞い落ちる。まだ生気の残る肌に、一片の白色が触れた。

 それは、緩やかに溶ける。
 そして、青年は目を開いた。

「おや……生きているのですか。驚きましたよ、人間」
 少女は、酷薄な笑みと共に囁いた。その声は、雪よりも冷たい。青年は、無表情に体を起こした。強張った手足を慎重に動かし、長い時間をかけて、棺桶の中に座る。
 彼は少女を見上げた。二人の上に、音もなく雪が降り積もる。
「俺、は…………僕は………いや、私は、何故、ここにいるんだ?」
 やがて、青年は尋ねた。低く、張りのある声が流れる。その声音には、戸惑いも、状況に対する恐怖すらない。少女は、棺桶に足をかけた。硬い木材を、示すように蹴る。
「貴方は、墓の中にいたのですよ、人間。貴方は棺桶に入れられ、埋葬されたのです。そのことすら、知らないと言うのですか?」
「埋葬、された? だが、私は、生きている。動いている。それなのに、何故だ?」
「さぁ、貴方が知らないのなら、私が知るはずがないでしょう。埋葬されながら、その理由すらわからないとは、貴方の脳は、既に死んでいるのかもしれませんね」
 少女は、淡々と毒を吐く。青年は、首を傾げた。彼の顔には、奇妙なほど表情がない。その顔を見て、少女は首を横に振った。銀髪に積った雪を払う。
「私は貴方を掘り出した。けれども、それは見込み違いでしたよ。まさか、本当に人間とはね。一応聞いておきましょうか? 貴方の名前はなんですか、埋められた人」
 一瞬、青年は考えた。次の瞬間、躊躇いなく、彼はその言葉を口にする。

「―――――――私は、『名前のない化け物』だ」

 鋭い風が、木立の間を吹き抜けた。雪が舞い上がり、少女の笑い声が響く。歪なそれは、鴉の鳴き声を思わせた。嘲るような笑いの後、彼女は、穏やかな表情を浮かべる。
「呼び名があるのに、無名の化け物。それは、伝説上の存在ですよ、人間。私は、本当の化け物を知っています。貴方は、全く違うものだ。化け物ではありませんよ」
「だが……私は……私は『名前のない化け物』だ。私は化け物であった。人の中にあっても、尚、化け物であった。私は、それだけは覚えている」
 青年は、一度目を閉じた。自身の内側を探り、彼は呟く。
「―――――――他には、何もない」

 自分は虚ろだと、彼は言った。自分は化け物である。それ以外の記憶はないと。

 重い沈黙が、墓地を満たした。二人は、無言で見つめあう。息さえも凍り、肌を焼く冷たさの中、彼も彼女も動こうとしない。木々の隙間から落ちる雪だけが、時の経過を告げた。少女は、青年の首元を見つめる。引き攣った傷痕を見て、彼女は口を開いた。

「そうですか。それならば、私は…………」

 その言葉は、告白に似ていた。
 あるいは、安堵の吐息のようでもあった。

 彼女は、一度だけ表情を緩ませ、言葉を続ける。
 長く長く、離れていた人に、温かな手を差し出すかのように。


「私はずっと、貴方を探していたのかもしれませんね」




 グラーク、グラーク、鐘の音。プラーク、プラーク、お家にお帰り。
 グラーク、グラーク、鐘の音。プラーク、プラーク、お腹が空いた。

 あそこの子供は、おとつい死んだ。隣の肉屋は、底なし食い。
 ぐるぐる煮込んだ豚の鼻。今日は代わりに鍋の中。

 あの子の手足を、食べたのだぁれ?

 日が落ちるまで、鐘の音。二回鳴ったら、振り向いて!
 石畳蹴立てて、高らかに、『穴蔵の悪魔(アリストクライシ)』やって来る!

               ***

 灰色の雲は重く垂れこめ、もうすぐ雪が降ることを告げている。
 冬が近づくほど、朝は遅くなり、夜は早く訪れる。人々は春を希いながら、長い季節を耐え偲ぶための準備を始める。そして、年明けの祭りを待ち望むのだ。

 ローデンの街も、その例外ではない。丘の上に広がる優美な街並みも、灰色の中に沈んでいた。二つの街道が交差し、近隣に川を有する街は、旅行者が多く訪れる。街は近くて遠い祭りの準備を、裕福な客人と、彼らの金貨のために進めていた。
 木枠に煉瓦や土、漆喰を詰めて造られた家々は、人形の家のように可憐だ。赤茶や濃灰色の木材が精緻に組まれた街並みには、計算された美しさがある。木の実型のランタンが飾られた扉には、夜になると太陽を閉じ込めたような、橙色の火が灯された。
 街の至るところに、蝋燭を乗せた樅の枝飾りや、布製の人形が並んでいる。頑強な屋根を持つ露店の準備も始まっていた。冬が更に深まれば、温かなワインや、ラム酒漬けの果物入りのケーキが売られる。焼きソーセージや、ビールも準備されるはずだ。

 だが、冬の初めから終わりまで、この街で過ごす客達の姿が、今年はない。
 煉瓦敷きの道には、犬の影すらなかった。どこか重苦しい、不吉な空気が漂っている。街全体が、何らかの喪に服しているようにも見えた。

 誰もが死に絶えたような道に、不意に二人の人影が現れた。門を超え、街を訪れた彼らは、旅行者には見えない。片方は拘束服じみた革ベルトのついた、黒いコートを着ている。無骨な格好と反し、銀髪の美少女だ。その横に、枯れ草色のコートを着た紅毛の男が並んでいた。彼は筒状の襟で、顎近くまで顔を隠している。
 少女は不意に、冷たい笑みを浮かべた。薄い唇を酷薄に歪め、言葉を吐く。
「死の匂いがしますね、貴方はそう思いませんか、グラン?」
 グランと呼ばれた青年は、足を止めた。人気の絶えた街を見回し、赤錆び色の目を細める。次に、彼は厳かな口調で囁いた。
「…………エリーゼ。恐らく、君は腹が減っているんだと思う」
「私が不吉な発言をする度、適当に理由をつける癖は止めてください。いい加減にしないと、流石に容赦はしませんよ?」
 エリーゼと呼ばれた少女は、淀みなく応えた。グランは軽く首を傾げる。その目に、一切の感情はない。彼は淡々と、確認するように言葉を紡いだ。
「君は、腹が減っている。これは、間違いない」
「……………ええ、そうですよ。確かに、そうですとも」
「経験上、君は腹が減っていると、無意味なことを言う」
「そこで無意味と判断するのが、許し難いと言っているのです! 全く、一体いつになったら、貴方は私の機嫌を損ねない会話を覚えるのですか?」
 エリーゼは、あくまでも優雅な笑みを崩さない。だが、彼女の纏う空気は、冬の気温を更に下げている。グランは、数秒首を傾げた。元に戻し、軽く頭を下げる。
「すまない。学んだ。以後、気をつける」
「それで、本当に学んでくれればいいのですがね。最早諦めるしかないと、私の方が学びつつありますよ、グラン。まぁ、いいでしょう……改めて、この街は噂通りですね」
 エリーゼは蒼い目を細め、街並みを見つめた。飾りたてられ、人気の絶えた道は、空の玩具箱に似た虚しさを感じさせる。朽ちた廃墟とは違う、独特の不気味さがあった。
「これならば、期待できますよ。今度こそ、会えるといいですね」
「…………君が望むのならば、私はそうなればいいと思う」
「貴方はいつもそうですね、グラン。貴方自身は、何も思わないのですか? まぁ、心がないのなら、それも当然ということなのかもしれませんが」
 グランは、彼女に返事をしなかった。無言で頷く。エリーゼは眉を潜め、直ぐに表情を消した。足音も高らかに、道を歩き出す。彼女の革靴は、軍靴のように底が厚い。
「食事ができる場所を探しますよ。先程も言いましたが、私は空腹です」
「わかった。量のある食事が望ましい。君は肉が好きだ」
「確かにそうですが、肉の部分をいちいち口にする必要はないでしょう?」
 エリーゼの口元が引き攣る。彼女はグランを振りきるように歩き、手近な食堂へ向かった。軒先に、蔓と葡萄の意匠がなされた、銅製の看板が吊るされている。その下に置かれた小さな黒板に、チョークで今日のメニューが書かれていた。
 エリーゼは取っ手を掴み、重い扉を押す。その瞬間、店内の喧騒が耳に入った。
 食堂には、数人の客がいる。だが、彼らは席を空け、厨房の扉の前に集結していた。壁には赤と白を基調とするキルト生地が飾られ、丸い机にも同様の布がかけられている。温かな店内の雰囲気とは真逆に、料理は放置され、罵声が飛び交っていた。
「おい、止めろッ! さっさとそれを置け」
「落ち着け、なぁ、落ち着けよ。いいか、自棄になるんじゃねぇぞ」
「う、ううううううううう、うるさいッ! 金だよ、金、金はどこにあんだよッ!」
 言葉を交わす男達は、エリーゼに気づいていない。吊りズボン姿の彼らは、街の住人だろう。エリーゼは、無言で椅子に座った。足を高らかに組み、皿に置かれたパンを手に取る。二つに割り、不満げに眉を潜めた。
「冷めていますね」
「エリーゼ、私の間違いでなければ、何か騒動が起きている」
「ええ、そうですね、見ればわかります。これでは、注文ができません。グラン、任せました。速やかに、状況を把握してきてください。そして、報告を」
「了解した」
 グランは頷き、男達に近寄った。彼の背は高い。手前の禿げ頭を避け、厨房内を覗こうとする。だが、上手くいかない。覗き見を不可能と判断し、彼は腕を伸ばした。
「――――――――失礼」
 グランは中年太りした男の首根っこを掴み、ひょいっと持ち上げた。子猫を動かすように、横へどかす。男は宙に吊り上げられても、数秒間喋っていた。だが、不意に我に返り、目を丸くする。次々と、グランが男達をどかす度、騒ぎは小さくなった。
全員をどかし終わり、グランは改めて厨房を覗く。
「な、ななななな、なんだよッ! お前誰だよッ!」
 エプロン姿の痩せぎすの青年が、コック帽を被った髭面の首を、背後から抱えていた。その手には、包丁がある。彼が何か喋る度、よく研がれた刃先が、髭面の丸い鼻をペタペタと叩いた。緊迫した情景を見ても、グランは微塵も表情を動かさない。
彼は、無言で頷いた。踵を返し、エリーゼの元へ戻る。淡々と報告した。
「エリーゼ。店員らしい青年が、コックらしい髭面の首に、包丁を突きつけている」
「なるほど、わかりました。私が出るより穏便に済むでしょう。貴方一人でどうにかできますね、グラン? 何度も繰り返しますが、私は空腹です。そして苛立ってもいる」
「了解した。行って来よう」
 グランは、忠実な犬の様に踵を返した。状況を把握できていない男達の横を、平然と通り抜ける。手前に立っていた禿頭の男が、呆然と呟いた。
「あ、アンタらなんなんだ?」
 問いに応えず、グランは厨房に入った。青年は、雀斑だらけの顔を歪める。コックの首筋に回された腕が更に絞まった。コックは、ソーセージのように太い唇を引き結ぶ。
「な、なんだお前らぁ、さっきから、な、な、な、なんの用だッ!」
「何が望みだ?」
 青年の叫びに、グランは、低く張りのある声で応えた。神託でも受けたかのように、青年の体が震える。彼は突然の闖入者に対して、熱に浮かされたように語り出した。
「か、金だよッ! 金だッ! こんな街にいられるかッ! あ、アイツらはいいかもしれないけどな、お、俺は余所者なんだッ! いつ殺されるか、わかったもんじゃねぇッ! だから、街から出るのに纏まった金がッ、って、おいッ、聞いてねぇえッ!」
 青年の叫び通り、グランは全く話を聞いていなかった。青年が語っている間に、彼は役立ちそうな物を発見している。無言で歩き、グランは調理台の上のまな板に触れた。
巨大な鱒の横に、包丁が置かれている。青年は弾かれたように震え、男達が何かを叫んだ。刺激するな、止めろと次々に忠告が重なる。だが、グランは包丁を無視した。
彼は、斑点の鮮やかな、ぬめる尾を掴む。そのまま、鱒をぶら下げた。
「………………………鱒?」
 誰かが呟いた。グランは、てくてくと歩き、元の位置に戻る。そして、前触れなく巨大な鱒を振り抜いた。前動作は一切ない。鱒は高速でコックの鼻先を掠め、包丁の刃先を横殴りにした。解放された鱒は、包丁を掻っ攫い、厨房を横切って飛んでいく。

 ―――――ガッ、ビィィィィィイイイイインッ!

 鋭い音が鳴った。鱒は厨房隅に設けられた、網焼き用の鉄網の上に落ちる。網はしなりながらも、無事に鱒を受け止めた。その下では、炭火が燃えている。
 包丁が突き刺さったまま、鱒は香ばしく焼け始めた。
 青年は、手を二三度開閉し、首を傾げた。グランは無言で頷く。彼は無表情のまま、厨房から外に出た。誰も何も言わない。グランは無事、エリーゼの元へ戻る。
「完了した、エリーゼ」
「そうですか、御苦労様、グラン。このワインはなかなかの味ですよ、飲みますか?」
「遠慮する。君も止めるべきだ。空腹に、酒はよくない」
「つまらないことにこだわっていては、それこそ人生にとって毒ですよ」
 エリーゼは忠告を鼻で笑い、グラスを傾けた。勝手に拝借している瓶の中身は、空に近い。男達は、呆然と顔を見合わせた。次に、揃った動きで厨房を見る。


 次の瞬間、彼らは雄たけびをあげ、厨房の中へ押し寄せた。
 

                   ***

 ――――――ドンッ、ドンッ
 
 派手な音を立てて、机の上に皿が置かれる。
店で一番上等な陶磁器の上に、巨大な肉が載っていた。子牛の薄切り肉にパン粉をつけ、黄金色に焼いた料理だ。思わずひるむ程の大きさだが、エリーゼは一瞬の躊躇いもなく、付け合わせのレモンを掴んだ。肉全体に一絞りし、熱いうちに切り取る。
柔らかく薄い肉には、塩胡椒が効いている。パン粉はサクサクと歯触りがよく、さっぱりと軽い。エリーゼは無心にナイフとフォークを進めた。その横では、グランが巨大な鱒の塩焼きを、酢漬けキャベツと共に、機械的な動作で口に運んでいる。
 二人の周りを、男達が囲んでいた。全員が、昼間から酒瓶を傾けている。その顔は赤い。興奮冷めやらぬ様子で、彼らは新たなコルク栓を抜き、グランの肩を叩いた。
「いやー、凄いな。凄いなぁ、兄ちゃん。一時はどうなることかと思ったわ」
「鱒を掴んだ時は、こいつ間違いなくアホだと思ったけどな。いやぁ、驚いた。包丁がこう、鱒の腹に刺さってな、ポーンッて。おい、おやじ。もう一本、ケチケチせずに出せよ。命が助かったんだぞ! 救い主様用の酒がねぇじゃねぇかッ!」
 丸鼻の男が叫んだ。コックは憮然とした表情で厨房から出て来ると、ワインを置く。薄切りにされた黒パンを、エリーゼは黙々と口に運んだ。最後に、洋梨のケーキを平らげ、彼女はフォークを置く。満足した様子で、ナプキンで口元を拭った。
「見事でした、店主。貴方を助けさせたことを、我ながら誇りに思いますよ」
「……………んむ」
 無言で、コックは頭を下げ、皿を運んだ。先程の青年は、厨房で縛られている。波のように押し寄せた男達への恐怖からか、声を殺して泣いていた。
 男達は酒瓶を煽り、首を傾げた。グランの肩を、親しげに叩いて言う。
「えーっと、てことは、だ。お嬢ちゃんは、旅行中の御貴族様か何かで……その割に、変わった服装だけどよ……兄ちゃんは、その護衛か従者か、そんなとこなのか?」
「いや、違う」
「まぁ、その様なものです」
 二人の答えが重なった。エリーゼは、素早くグランの足を踏みつける。足先を踏みにじられても、彼の表情は変わらない。淡々と、彼は言葉を続けた。
「訂正する。その様な事情だった」
「そ、そうか。おかしな兄ちゃんだな……ところで、そのコート、暑くないのか?」
 触れない方がいいと察したのか、禿げ頭の男は話題を変える。店内は、惜しげもなく暖房が焚かれていた。外は凍える気温だが、室内は汗ばむほど暖かい。エリーゼも、既にコートを脱いでいた。グランは食事中、僅かに下げていた襟を戻し、首を横に振る。
「私は、これは脱がない」
「なんだぁ? 女じゃないんだ。脱いじまえよ、熱いだろう?」
 ふざけた声でいい、男は手を伸ばした。酔った勢いで、グランの襟を掴み、引く。顎近くまである布地がずれた。喉元にある、痛々しい縫い目が晒される。
「――――――ひっ」
 歪な傷痕を見て、男は悲鳴をあげた。巨大な縫い痕は、蟲が肉の下を這い進んだかのようだ。周辺の肉は、醜悪に膨れている。グランは男の手を払い、襟を戻した。
「わ、悪い……いや、あの」
「だから、脱がない」
 グランの声には、怒りも苛立ちもない。彼はグラスを掴み、水を傾けた。禿げ頭の男は視線を泳がせ、慌てて酒瓶を掴む。
「そ、そうだ兄ちゃん。こっちを飲まないか? どうせコックの奢りだ。好きなだけ」
「酒は飲めない。牛乳があれば欲しい」
 今度こそ、禿げ頭の男は沈黙した。その瓶を、横からエリーゼが攫う。彼女はぞんざいに見えて、完璧な動作で、グラスに上質な紅色を注いだ。
「いい香りですね。この街のワインは、なかなかに好ましいものです」
「そ、そうだろう? 昔、ほら、諸侯戦争の頃だ。敵兵に攻めてこられた時、この街一番の酒飲みが、ワインを一気飲みしてな。その曲芸で、敵を和ませて救ったって話も」
「失礼。昔話は、また後で。せっかくですので、別の話を伺いたいと思います。実は、お聞きしたいことがあるのですが」
 エリーゼは、男の話を遮った。彼女はグラスを目の前に掲げる。ガラス越しの蒼い目を見て、禿げ頭の男は、再び息を飲んだ。エリーゼの目から、彼は視線を逸らす。
「先程の彼は、こう言っていました。『こんな街にいられるか』『アイツらはいいかもしれないが、俺は余所者だ』『いつ殺されるか、わかったものではない』」
 エリーゼは歌うように言葉を重ねた。店内に沈黙が降りる。誰もが、重苦しく口を噤んだ。暖炉で、音を立てて薪が弾ける。エリーゼの声だけが、朗々と響いた。
「彼は、街を出たがっていたようです。そのためには、しばらく暮らせるだけの、纏まった資金が必要だった。この街で何があったのですか? 噂は、既に聞いています」
 エリーゼは、隠しても無駄だと釘を刺す。禿げ頭の男は、額に浮かんだ汗を拭った。息を胸一杯に吸い込み、ゆっくりと吐き出す。彼は幾度も頭を拭い、語り始めた。

「最初の冬の風が吹いた日だ。旅行者が死んだんだ」

 エリーゼは軽く頷いた。無言で続きを促す。男は覚悟を決めたように、目を閉じた。
頬を震わせ、彼は忌まわしい事実を吐き出す。

「得体の知れない何かに、食われてな」

                ***

 冬の風は、森の奥からやって来る。
 森から吹く風は街を襲い、丘を降りて川へと下る。風は細かな水滴を、鋭く冷たい針へと変える。船乗り達が身を焼く寒さに悩まされれば、雪の降る日が近づいた証だ。

 その日、街の公園では、香辛料と砂糖を加え、煮詰めたワインが配られた。人々は、陶磁器のカップと林檎を受け取り、複雑な甘みと爽やかな酸味を楽しんだ。
穏やかな午後は、何事もなく終わるはずだった。だが、不自然な風が、街を過ぎったという。それに撫でられた者達は、剃刀の刃で、首筋に触れられた心地がした。
 風は街を一巡りし、緩やかに消え去った。人々が安堵した時だ。水音が起こった。
 噴水に座っていた幼い少女が、背中から倒れたのだ。彼女と直前まで話していた子供達は、噴水を覗き込み悲鳴をあげた。

 少女の喉は、食いちぎられていた。柔らかな肉が全て奪われ、背骨が覗いていた。
 彼女は目を見開き、死んでいたのだ。

 その日を境に、旅行者が次々と死んだ。森から冷たい風が吹く度、余所者が食い殺される。着飾った婦人の胸が奪われ、太った商人の腹が抉られた。若い男の太腿が千切られ、子供の割れた頭蓋から、脳味噌が消えた。まるで、街は呪われたかのようだった。
 必死の警備や警察の捜査も報われず、犯人は見つからなかった。死体に残された千切られた痕は、人のものではない。化け物の仕業としか、人々には思えなかった。
 街は化け物に取り憑かれた。食われるのは余所者だけだが、その事実は、徐々に街の人間の首も絞め始める。優雅な街からは、頼りとなる旅行者が消えた。

 呪われた街を、今では誰も訪れない。

「旅行者が絶えたおかげで、商売はあがったりさ。一体、何が起こってんだ? 『穴蔵(アリス)の(トク)悪魔(ライシ)』にでも、食われたとしか思えねぇ。人食い話は、あれが一番有名だろう?」
 禿げ頭の男は、乱暴に酒を煽った。その横で、小柄な男が飛び上がる。彼は、たゆんだ頬肉を揺らし、激しく首を左右に振った。唾を飛ばしながら、訴える。
「止めてくれよ。洒落にならねぇ。『穴蔵の悪魔』は、北の方じゃ、本当にいるって噂じゃねぇか! この街まで悪魔が流れてきたとか、そんなこと考えたくもねぇよ!」
「ははっ、何言ってんだよ、お前は。『穴蔵の悪魔』が本当にいるって? 飢饉にあった村の連中が、魔女が作物を枯らしたのなんだの騒ぐ、迷信と同じだろ? あっちの方じゃ、誰かが死ぬ度、犯人探しより化け物探しを優先するんだ。本気にすんなって」
 禿げ頭の男は、乱暴に彼の肩を叩いた。頬肉をぶるぶると震わせながら、小柄な男は背中を丸める。エリーゼは、酒瓶を勝手にグラスに傾け、一息で煽った。
「『穴蔵の悪魔』……童謡にも出てくる、伝説上の存在ですね? 早く帰らないと、人食いの化け物が迎えに来る。童謡は、その様な内容だったはずです」
「ああ、そうだ。なんだっけな。『グラーク、グラーク。鐘の音』だ。北の方じゃ、もっと有名なはずだぜ。確か、元になった話があるんだ。頭のおかしい領主が領民を虐殺して、悪魔になったとか、そんなんだ。それがなんで実在するんだよ、おかしいだろ」
 禿げ頭の男は腹を揺らし、不吉な話を笑い飛ばした。エリーゼも、薄い笑みを返す。再び、店内は賑やかさを取り戻した。だが、小柄な男だけは背中を丸めたままだ。
彼は青ざめた顔で、心配そうにエリーゼに尋ねた。
「なぁ、嬢ちゃん。アンタは怖くねぇのか? 人が死んでるのは、事実なんだ。『穴蔵の悪魔』の仕業じゃなかったら、もう何が起こってるのか、俺にはさっぱりわからねぇ。嬢ちゃんも、早く家に帰った方がいい。この街はきっと呪われてんだ……」
「だから、止めろッ! そうやって騒ぐから、街から人がいなくなんだよッ!」
 周りの男達は、素早く小柄な男をいさめた。彼らにとって、街から客が消えるのは死活問題だ。旅行者が絶えてから、日は過ぎている。災厄は去ったと、彼らは信じたい。だが、それは、目の前の少女が危険な目にあう可能性を、見過ごすことでもある。
 それに気づき、男達は顔を見合わせた。エリーゼに、気まずそうな視線を送る。
 彼女は、花のように微笑んだ。男達を安心させる表情を作り、唇を動かす。
「貴方がたは、草食動物よりも弱く、蛇よりも利己的だ。罪悪感を覚えながら、何もしない。自身の安全だけは、根拠なく確信している。失望すら難しいですよ、人間」
「ん? 嬢ちゃん、なんか言ったか?」
「いえ、何も。グラン、そろそろ失礼しましょうか。長居しすぎました」
 エリーゼは席を立った。グランも続き、クロークに預けた彼女のコートを取って来る。グランは当然のように、エリーゼにコートを着せた。男達は、呆気にとられた顔で、その自然な所作を見守る。拘束具を揺らし、エリーゼは優雅な礼をした。
「それでは、失礼します。お話できて、楽しかったですよ。この街には、数日間滞在予定ですので、死なないように気をつけます。皆様も、どうかいい日々を」
 男達は、複雑な笑顔で酒瓶を掲げた。コックが無言で、エリーゼに駆け寄る。彼はナプキンが掛った小さなバスケットを手渡した。
「あぁ、ありがとうございます、店主」
 エリーゼは、僅かに驚き、礼を言う。コックは無言で厨房へ下がった。エリーゼとグランは外に出る。店内の喧騒を後にする際、彼女は低い声で囁く。

「皆様は、どうかいい日々を……そう、何故、旅行客だけが、死ぬのでしょうね」

                ***


 扉を後ろ手に閉じ、煉瓦敷きの道に降りる。その瞬間、何かが音を立てて飛んできた。グランは、素早く空中で掌を振る。灰色の小石が、地面に落ちた。

 エリーゼは、気だるげな視線を、石が飛んできた方向へ向ける。
 二人の子供が、エリーゼ達を睨んでいた。
 二人共、チェック柄のマフラーを巻き、帽子で耳まで顔を隠している。セーターで着ぶくれした姿は、丸々と太った子犬のようだ。少年はこの辺りでは珍しい、黒々とした髪と目をしている。少女は青色の目に、癖のある金髪を腰まで伸ばしていた。
「おや、随分と可愛らしくも無謀な二人組ですね。何の用ですか、幼い人間達?」
「うるさいッ! この街から出てけよ、化け物、うっ、うわッ!」
 エリーゼは、無言で少年に近寄った。そのマフラーを掴み、空中に持ちあげる。じたばたと、少年は両足を動かした。少女が慌てたように、彼の足元で飛び跳ねる。
「け、ケイ! ほら、だから、駄目だよって言ったじゃないですか!」
「放せよ、放せッ! 畜生ッ、俺は化け物なんかには負けねーぞッ!」
「初対面の相手を化け物呼ばわりとは、いい度胸ですね、少年。何故、そう思ったかは知りませんが、根拠があるのなら、聞かせてもらいましょうか?」
 口調の軽さとは真逆に、エリーゼは蒼い目を細める。計るような視線に、少年は気づかない。彼はしばらくもがいた後、マフラーを首から素早く解いた。地面に落下する。
「どうだッ! あ、あれッ?」
 見事着地した少年のセーターを、エリーゼは掴んだ。再び持ち上げる。
「や、やめろ、やめろッ! 伸びるッ! 母さんに怒られるッ!」
「貴方が叱られようが、私にはどうでもいいことです。さっさと、質問に答えなさい」
「うっ、ううううううッ」
 やっと、自分の不利を悟ったらしい。少年は、大きな目いっぱいに涙を溜めた。だが、唇を引き結び、覚悟を決めた顔をする。決死の表情で、少年は腕をあげた。
「お前、『名前(グ)の(ラ)ない(ウ)化け物(エン)』だろッ! 俺、知ってんだぞッ!」
 彼は、グランを指さした。数秒後、グランとエリーゼは、顔を見合わせる。
「――――なるほど」
「――――おや、そっちでしたか」
 少年は指をさ迷わせる。二人の反応は予想外だったらしい。エリーゼは、少年を道に下ろした。慌てて、少女がその首にマフラーを巻き直す。多少、少年の首は絞まった。
「ぐえっ」
「ほら、風邪ひくよ。ちゃんとマフラーをしないと駄目だよ」
「驚きましたよ、少年。その話を知っている人間が、この街にいるのですね。『名前のない化け物』についての著書は、南方には、流通していないと思っていましたが」
「ふんッ! 父さんの持ってた本に書いてあったんだッ! 『名前のない化け物』は、喉元にひどい傷痕があって、死体を縫い合わせて造られてるんだってッ! お前が、旅人を殺してるんだッ! 隠したって、俺にはわかるんだからなッ!」
 少年は誇らしげに胸を張った。また襟を掴まれるかもとは、考えていないらしい。エリーゼは視線を横に向けた。食堂の窓は広く、少年の背丈でも中を覗くことができる。
「あぁ、なるほど。久しぶりの旅行客を見つけ、この窓から店内を覗いたと。グランの傷痕を見たのが根拠ですか。あながち思いつきではない、と……しかし、少年」
「なんだよッ! 言い訳したって無駄だからなッ! これで街は元通りに」
「私達がこの街に辿り着いたのは、つい先程です。疑うのなら、門番に聞けばいい。過去の旅人達の死に、私達は関係しようがないのです。それに、貴方は」
 エリーゼは、ひらりと白い手を挙げた。無言で立ったままの、グランを示す。
「―――――このグランが、恐ろしい化け物に見えるのですか?」
 少年は、恐る恐るグランに視線を向けた。彼の目には、人らしい表情が一切ない。口元は、枯れ草色の布地で隠されている。その長身と紅毛は、見る者に畏怖を与えた。
「……………………見える」
「失敬。確かに一理ありますね。私としたことが、これは失敗です」
 少年は涙目で応えた。エリーゼも神妙な表情で頷く。グランは文句すら言わない。
彼は無表情のままだ。エリーゼは、改めて首を横に振った。
「まぁ、どちらにしろ、過去の犯罪に、私達は関係ありません。妄言を騒ぐのは勝手ですが、今度石を投げてきたら、摘まんだまま川に捨てますよ。わかりましたね?」
「なんだよッ! 今の時期に、川に捨てられたら、死ぬじゃねぇかぁッ!」
「だから、捨てるのです。理解しなさい。あぁ、それと……」
 エリーゼは、片手に下げたバスケットを覗いた。ナプキンを取ると、固焼きのクッキーがでてくる。星型のクッキーを二枚取り出し、彼女は二人に差し出した。
「ほら、これをあげましょう。子供は子供らしく、菓子で懐柔されなさい」
「なッ! いらねぇよ、俺はそんなッ!」
「わぁ! 美味しそう、ありがとうございますッ!」
「ちょッ! ベル、それはないだろぉッ!」
 少年が半泣きになり、少女は笑顔で受け取る。二人は、ケイとベルと言うらしい。諦めたのか、ケイもクッキーを受け取った。敗者の表情を浮かべ、齧りだす。
「受け取った限りは、その恩を忘れないようにしなさい、幼い人間達。それでは……」
「おい、なんだ。ケイとアナベルじゃねぇか? お前ら、なにやってんだ?」
 食堂の扉が開き、男達が顔を出した。二人は小さく飛び上がる。特に、ベルの顔は、蒼白になった。彼女は、慌ててクッキーを、スカートのポケットに押し込む。
「な、なんでもありません。ケイ、ねぇ………もう行こう?」
「ケイ、お前なぁ、アナベルと遊ぶなって、親父に言われただろう? それとも、なんだ。その歳で色気づいたか? アデラ仕込みの、アレでもしてもらったか?」
 禿げ頭の男の声に、ドッと笑い声があがった。ケイは真っ赤になり、ベルは辛そうに顔を伏せる。ケイは彼女を背中に庇うと、歯を剥き出した。低く唸り、唾を吐き出す。
「うっせぇ! ベルを悪く言うなッ! 死ねよ、蛸野郎ッ! ベル、行こうッ!」
「う、うん………お姉ちゃん達、ありがとうございましたッ!」
 ケイはベルの手を掴み、駆け出した。僅かに振り向き、ベルは礼を言う。
グランは、ケイに声をかけた男を見つめた。禿げ頭を穴が開くほど見つめ、呟く。
「……………蛸」
「グラン、その言葉から、何かを学ぶ必要はありません。早急に忘れなさい」
「いやぁ、嬢ちゃん達、悪かったな。あの二人は、悪戯好きでな。なにかうるさく言われたんだろう? ケイの馬鹿が、アナベルを連れてる時だけ、調子に乗りやがる」
「今日あたり、親父の大目玉が落ちるだろうさ。アイツ、最近好き勝手やりすぎだ」
 男達は、赤ら顔で肩を叩き合った。エリーゼは、先程、男がケイに投げかけた言葉を反芻する。表情を変えず、彼女は淡々と尋ねた。
「アナベルの母親は、娼婦ですか?」
「あぁ、この街には、そういうのはないんだ……表向きはな。ただ、金さえ出せば、相手をする女ならいるぜ。ここから真っ直ぐいって、二つ目の角を曲がった裏路地の酒場だ。外の奴しか、相手にしないがな。アナベルは、そこの娘だよ。一体どこの種だか」
 禿げ頭の男の言葉には、欲望と苛立ちがこめられていた。隠されている私娼の噂は、求める客にだけ伝わるべきものだ。だが、酔いに任せ、男は下卑た言葉を続ける。
「もしも、そっちの兄ちゃんが相手してもらいたいのなら、行ってみればいいぜ。アデルの胸は絶品だって話だ。舌使いも上手いってよ」
「なるほど。わかりました。相手をされなければ、怒りと欲は溜まる。だから、噂と迫害で晴らす。人間とは、そういうものですね。どこに行っても同じだ。進歩がない」
 エリーゼは淡々と呟き、歩き出した。グランもその後に続く。真っ赤になった男が怒鳴り散らす前に、エリーゼ達は店から離れていた。二人は街道を下り、宿へ向かう。
 川が見下ろせる位置に、苔色の壁と、紅茶色の屋根の建物があった。鱗状の装飾と、他とは異なる色を持つ宿は、存在を強固に主張している。部屋は、旅行客が絶えているためか、全室空いていた。エリーゼは、迷いなく最高級の一室を選択する。
支配人自らの案内で部屋に通され、エリーゼは天蓋つきのベッドに横たわった。靴も脱がず、歌劇の一幕が描かれた、絵画の成された天井を仰ぐ。グランは無言で窓辺に立った。古く厚いガラスは、熱を逃さないよう、二重になっている。
「……化け物の仕業だと言いながら、彼らは化け物を信じていない。これが現状ですよ、グラン。街の人間が死ねば、彼らも焦るでしょうが、今は沈黙している。『この街は死に狙われている』彼らは災厄が通り過ぎると信じ、その意味に気づいていない」
「それは、危険だ」
「ええ、危険ですよ。ですが、そんなことは、私にも貴方にもどうでもいい」
 エリーゼは反動をつけ、起き上がった。白い手を振ると、掌に黒い何かが現れる。回転式拳銃だ。エリーゼは、銃把を握る手に力を込めた。だが、彼女が再び手を振ると、武器は幻のように消え去る。何事もなかったかのように、エリーゼは再び横になった。
 彼女は、低い声で囁く。

「私は、私の狩りをするだけです」

 グランは答えない。彼は、窓の外に視線を向けた。街の上には、灰色の空が広がっている。風は強さを増していた。夜になれば、細かな雪が、雨のように降るだろう。

 彼は知っている。それは、かつて、書物の中で読んだ言葉だ。
 ――――長く冷たい冬の夜には、人でない者がさ迷い出る。

 そうして化け物は、
 生者を食うのだ。




 貴方が善き人であったが故に。
 貴方が慈悲深くあったが故に。
 貴方が常に正しくあったが故に。


 貴方は、苦しむこととなった。


               ***

 ケイは、二人の話を信じていなかった。何せ、間違いないのだ。
 この街には、化け物が潜んでいる。そして、彼らは化け物だ。

 あの日、噴水近くで遊んでいたケイは、少女の死に様を目撃した。碧の目が不意に見開かれ、恐怖の形に固まった。そして、彼女は背中から噴水に倒れたのだ。
 その時、彼女の目が告げた。
街に悪いものがやって来た。私はそれに殺されたと。
 大人達は気づかない。街に化け物が隠れているのに、彼らは怯えるばかりだ。
 
 ケイは父親の蔵書を漁り、化け物について学んだ。そして、遂に彼らを見つけたのだ。奇妙な旅人は、『名前のない化け物』に違いない。本は語っていた。
 ――――長く冷たい冬の夜には、人でない者がさ迷い出る。
 二人は、街を訪れるのは初めてだと言うが、ケイは信じなかった。門番の証言も無意味だ。彼には守りたい人々がいる。大切な家族と、大好きな少女だ。
 そのためには、全てを疑わなければならない。

 だから、ケイは夜の街にさ迷い出た。彼には、化け物と戦う義務がある。
 決して、ベルと遊んでいたことを、父に咎められたからではない。
 
 夜の街には雪混じりの風が吹き、ランタンが灯されている。黒く沈んだ道に、光る木の実が連なっていた。幻想的な光景だが、それを見る人間は、ケイ以外にいない。母親は、彼は子供部屋にいると思っている。ケイは、持ち出した食用ナイフを握り締めた。
「見てろよ…………化け物め」
 そう呟いたところで、彼は二人の居場所を知らない。化け物が姿を見せたのだ。今夜、何かが起きる。彼はそう確信していたが、何をすべきかなど考えてもいなかった。
 煉瓦道には、雪の影が映っている。横殴りの雨のように、細かな雪が飛んでいた。剥き出しの顔が、痛みで疼く。鼻水を啜り、ケイは冷えた頬に掌を押し当てた。
 頬を擦りながら、彼は街を見回す。夜の街は、知らない場所のように思えた。橙色の灯りに浮かぶ家々は、不確かな幻に見える。手を伸ばせば消えてしまうだろう。
 そう思った瞬間、視界の端で、ランタンの灯りが消えた。
 照らされていた家々が、暗闇に沈んで、見えなくなる。街の一角が、黒く塗り潰された。数秒遅れて、ケイは身の毛が逆立つような恐怖を覚えた。何かがおかしい。
 魅入られたように暗闇を見つめ、ケイは違和感の正体に気がついた。
 吹き消えたランタンの周囲の雪だけ、動きが違うのだ。風は、不自然に渦を巻いている。一瞬、白い雪が、闇の中に佇む人の姿を描いた。ケイは息を飲む。心臓が止まりかけた気がした。一歩、一歩、彼は震える足で後ろに下がる。
 アレは、人ではないものだ。そして、悪いものに決まっていた。
 ケイの視線に気づいたかのように、風が彼を見た。風は、丁度人が歩くような速度で、動き始める。渦を巻く雪が、迫ってきた。少女の死に様が、ケイの脳裏に蘇る。

 見開かれた碧の目には、確かな恐怖が刻まれていた。

「うっ、うわ………」
 小さく叫び、ケイは走りだした。背中を向けると逃げ出し、風から遠ざかる。
風は、彼の後を追って来た。振り向くと、後ろの道は、全て闇に閉ざされている。ランタンが、消されていた。灯りを失った世界に、細かな雪が舞っている。
「っ、あっ……来るなよ………来るなよぉおおおおッ!」
 ケイは更に足を進めた。歯がガチガチと音を立てて鳴る。手近な民家の扉を叩こうとして、彼は振り上げた拳を下ろした。脳裏に、ベルの笑顔が浮かぶ。
(俺が外に出られなくなったら……ベルは一人きりだッ!)
 恐怖を噛み殺し、ケイは街道を走った。保存食や陶器食器を扱う店が連なる坂道で、公園の門に飛びつく。精緻な格子の中心に、顔のある太陽が嵌められていた。門を押し開き、ケイは街路樹の並ぶ道を駆ける。木々に照らされたランタンは、目の前に希望の道を産み出していた。止まっている噴水を横目に、彼は必死に目当ての場所へ向かう。
 広い公園の一角には、教会があった。神父は、普段は教会付属の建物で暮らしている。だが、ここ数日は、死期の近い老婆に乞われ、夜ごと出かけているはずだった。神父は毎夜、哀れな老婆のため祈りを捧げているが、一体いつ死ぬのかと、酒場で男達が揶揄していたのを覚えている。ケイは扉を開き、教会内部に滑り込んだ。
 悪いものは、ここには来ない。そう、彼は母の話と蔵書から学んだ。
神とは祈る者に救いを与え、善人を見守り、悪人に罰を落とす。それだけの存在だ。教会は、人々の寄付と援助で運営されており、中心となる組織は存在しない。神への信仰は、各地に伝わる悪魔や化け物の逸話と同様に、静かに人々に寄り添っていた。
 だからこそ、化け物に対する者は、似た存在である神しかいない。
 そう、ケイは考えた。扉から離れ、彼は一定の間隔で並ぶ信者席の間に隠れる。外で吹き荒れる風の音を聞きながら、両足を抱えた。不安を飲み込み、辺りを見回す。
 天井の梁は斜めにかけられ、中央で交錯していた。二等辺三角刑を形作る屋根の正面に、ステンドグラスが設けられている。白い花と緑の葉、垂直に伸びる木々の中心に、心臓を象った紅い樹の実が揺れていた。濃厚な紅色を見つめていると、扉が軋む。

 ケイは悲鳴をあげかけた。無理に声を飲み込み、耳を澄ます。

 二度、三度と扉は軋み、次の瞬間、勢いよく開かれた。風が激しく吹き込む。教会内の温度が一気に下がった。磨かれた木目の床を這い、ケイは必死に扉から遠ざかる。
 風の音が追ってきた。だが、それは途中から、人の足音に変わる。
 カツン、カツン、カツン、カツン、カツン、カツン、カツン
 規則正しい足音が、耳を打った。ケイは笑う膝を必死に動かす。全身から汗が吹き出した。取り落としたナイフが、床を滑る。慌てて探していると、背後の足音が消えた。
 ひゅぉぉぉぉおおおおおおおおぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおっ!
 風の音が鳴った。冷たい流れが、ケイの頭上を通り過ぎる。風が吹き去った後、彼の目の前には、誰かが立っていた。ケイは絶望に顔を引き攣らせ、視線をあげる。
 そこに、金髪の青年がいた。肩まで伸ばされた直毛が揺れる。中性的な顔立ちだ。骨格と細い体躯から、辛うじて男だとわかる。蒼い目を光らせ、彼は無邪気に笑った。
「ばあっ! 見つけたぞ、こんなところに隠れて、って……なーんだ。君かぁ」
 青年は肩をすくめた。ケイは息を飲む。彼は青年のことを知らない。だが、青年は実に親しげな様子だ。上等な白シャツに、リボンタイ。細身の黒ズボン。色素の薄い上品な顔立ちは、貴族の子息を思わせる。彼は白い手を、ひらりと差し出した。
ケイは思わずそれを掴み、立ち上がる。薄い掌は、死肉のように冷たい。
「君なら君って、早く言ってくれないと。全く、時間を無駄に使っちゃったじゃないか。夜に僕を見つけるなんて、馬鹿な奴がいるもんだと思ったのに。君に関わってる時間は、ないって言うか、正直、凄く勿体ないんだよね。一体どうしてくれるのさ?」
「えっ………えっと………そ、その」
「…………………ん?」
 青年は、小首を傾げる。さらりと、金髪が流れた。ケイは勇気を振り絞り、尋ねる。
「お、お前、誰、だよ」
「………………えっ?」
 青年は不自然に沈黙し、悩むように頬を掻いた。次の瞬間、彼はケイの首に手を伸ばす。その指が届く寸前、ケイは無意識に首を逸らせた。ぶちりと、嫌な音が鳴る。
 ケイの耳に灼熱が走った。生温かな液体が、彼の耳から零れ、マフラーに染み込む。
「えっ………い、だ………」
「あーあーあー、なにやってんのさ。ご覧よ、こんなとこが取れちゃったよ」
 青年は、白く不気味な塊を宙に投げた。生肉が断面から覗くそれは、ケイの耳朶だ。耳朶の下半分が、青年の指の中にある。そうケイが気づいた次の瞬間、耳朶は青年に食われていた。この世から、ケイの肉体の一部が消える。信じられない光景だった。
「えっ……えっ………なに、なんだよ、これ………ははっ」
「投げ捨てるより、食う方が処理としては困らないよね。でも、あまり美味しくはないなぁ。ん? っていうか、君ぼんやりしてていいの? 逃げなくて大丈夫なのかな?」
 無邪気に笑いながらも、青年はケイを放さない。ケイは狂ったように、青年に掴まれた手を振った。だが、指は決して抜けない。耳が激しく痛んだ。混乱した頭は、泣くことすらできない。ただ、圧倒的な絶望が、じわじわとケイの胸に染みた。
「本当は、君は殺さない予定だったんだけど。これも一つの縁だよね。まぁ、構わないだろう。うん、構わない。きっと構わない。そう、構わない。だからね、さよならさ」
 青年は、笑顔で手を振り上げる。その指先は紅く濡れていた。
 彼の手を、ケイは呆然と見つめる。指が振り下ろされる、瞬間だった。

「見つけましたよ。『穴蔵の悪魔』」
 
 冷静な声が響く。青年が、振り向いた瞬間だった。
 飛んできたエリーゼの左膝が、彼の顔面に埋まった。

                 ***

 青年の体が、横に傾ぎ、崩れ落ちる。同時に、エリーゼは、両手の銃を発砲した。リボルバーが吐き出した弾は、彼の胸に着弾する。だが、一瞬早く、青年の姿は掻き消えた。すぐさま、エリーゼはその場に膝を突く。ケイの首筋を、白い手が掴んだ。
「グランッ!」
 彼女は叫ぶと、ケイを放り投げる。悲鳴をあげながら、ケイは空を飛んだ。グランの腕の中に落ちる。彼はケイの耳に、手にした布を押し当てた。
「医者に行け」
 低く囁き、グランは再びケイを投げた。悲鳴をあげ、ケイは教会の外へ転がる。
 扉は音を立てて閉じた。ケイはその場に残される。冬の冷たさが、全身を刺した。耳だけが燃えるように熱く、空からは雪が降り注いでいる。扉の内側は見えない。
 彼はただ一人、平穏な夜へ放り出された。

「な……なんだよ。なんなんだよぉおおおおおおおおおおお!」
 
 彼の悲鳴に、誰も答えない。
 教会の中で、エリーゼは銃を構えていた。その前に、風が渦を巻く。風が晴れた瞬間、そこには人が立っていた。金髪の青年が、頬を腫らしたまま、エリーゼを見る。
「エリーゼ……エリーゼじゃないかッ! 久しぶりだねぇ! まさかこんなところで、会えるなんて、驚くじゃないかッ! 相変わらず乱暴だなぁ」
「あぁ……貴方でしたか。カーリー・フォン・アリストクライシ」



*草稿版はここまでとなります。



異世界拷問姫五巻&コミック一巻同時発売のお知らせ/幻獣調査員コミカライズについて等

10月25日に「異世界拷問姫」5巻が発売されます。
「異世界拷問姫」5巻
「我々の救世とは悪魔殺しであり、神殺し――そして人殺しです」

今回は櫂人達にとって恐らく一番過酷な展開となっております。4巻が世界の裏側を見せる巻なら、今巻はそこから一気に動く巻となっておりますので、ぜひお読み頂けますと幸いです。
詳しいあらすじについてはMF文庫J様のブログもご参照ください。

こちら、書店様によって特典がつきます。以下にまとめさせて頂きましたので、ご購入の一助にどうぞ。(リンクが貼ってある画像は、通販ページに飛べます)

アニメイト様

・書き下ろしSS入り4Pブックレット
アニメイト様特典

SS:【もうどこにもない話】が収録されています。今回は『肉屋』のお話です。五巻読了後に読まれるのがオススメです。

BOOKWALKR様

・特典SS
ブックウォーカー様特典
特典SS 【どこにもなくてもいい話】がついてきます。こちらは、11月7日までの購入で付属するものとなりますので欲しい場合はお早めに願います。櫂人のお話です。五巻読了後に読まれるのがオススメです。

アニメイト様の特典とBOOKWALKER様の特典はセットを意識したお話となっております。

そして今回はなんと「異世界拷問姫」のコミック1巻同時発売されます。
拷問姫コミックカバー
倭ヒナ先生による大変素晴らしいコミカライズです。美麗で残酷、時に愛らしい緻密な作画と、漫画ならではの話運びと演出の素晴らしさが堪能できる、大変面白い一作となっております。そのため、原作者の立場を抜きにしてぜひともお読み頂ければ幸いに思います。本当に!面白い!ので!ぜひ!

。コミックウォーカー様とニコニコ静画様で続きも連載中ですので、併せてよろしくお願い申し上げます。

コミックウォーカー様

(こちらには綾里の短編小説も同時連載されています。鵜飼先生の素晴らしい挿絵つきです)

ニコニコ静画様


「異世界拷問姫」コミカライズ一巻にも書店様によって特典がつきます。倭ヒナ先生がたくさん美麗なイラストを描き下ろしてくださいました。ありがとうございます。このブログでも以下にまとめさせて頂きましたので、ご購入の一助にどうぞ。(リンクが貼ってある画像は、通販ページに飛べます)

アニメイト様

・倭ヒナ先生描き下ろしペーパーペンシルボード
アニメイト様コミカライズ特典

ゲーマーズ様

・倭ヒナ先生描き下ろしブロマイド
ゲーマーズ様コミカライズ特典

とらのあな様

・倭ヒナ先生描き下ろしイラストカード
とらのあな様コミカライズ特典

メロンブックス様

・倭ヒナ先生描き下ろしイラストカード
メロンブックス様コミカライズ特典

WonderGOO様

・ポストカード
ワンダーグー様コミカライズ特典

どれも大変美麗なイラストですので、お好きな書店様にてお買い求め頂けますと幸いです。

また、何と今回は文庫・コミックの両方をご購入された方用の特典もご用意頂けました。

アニメイト様、ゲーマーズ様、とらのあな様、メロンブックス様(原作1~五巻のいずれか一冊)&コミック同時購入特典)

・綾里けいし書き下ろしSS入り鵜飼沙樹・倭ヒナ描き下ろしイラスト仕様4ページリーフレット
同時購入特典
鵜飼沙樹先生と倭ヒナ先生の大変美麗な描き下ろしが表紙、裏表紙となった、綾里の書き下ろしSS入りのリーフレットです。SSの題名は「エリザベートはかく語りき 存在しない御伽噺」です。櫂人とヒナとエリザベートのある夜のお話です。

こちらは原作1~5巻のいずれかコミック1巻を同時購入された方への配布物となります。まだ原作を読んだことがないよという方も、この機会にぜひどうぞ。また、上記専門店各店で配布いたしますが、数に限りがありますので、詳細な状況は店舗までご確認いただけますと幸いです。

一部書店様特典

・倭ヒナ先生描き下ろし特製サインイラストカード
一部書店様特典
こちらは一部書店にて配布されます。配布状況は各店にお問い合わせ頂けますと幸いです。

「異世界拷問姫」と「魔獣調教師 ツカイ・J・マクラウドの事件録」の合同サイトでも、特典の一覧が掲載されておりますので、ご覧下さい。



作品の公式twitterも稼働して頂いていますので、よろしければフォローをお願いします。
(画像クリックでアカウントにジャンプします)
拷問姫アイコン



「異世界拷問姫」については以上になります。



続きまして、まとめてのお知らせとなり大変申し訳ありませんが、
「ショートストーリーズ 僕とキミの15センチ」が10月30日の発売となります。
ショートストーリーズ
こちらは、「僕とキミの15センチ」をテーマに総勢20名の作家が参加したショートストーリー集となっております。綾里は「In the Room」というお話で参加させて頂きました。よろしくお願い申し上げます。

そして「幻獣調査員」のコミカライズも現在連載中です。
幻獣調査員コミカライズ

幻獣調査員コミカライズ

現在コミッククリア様、とコミックウォーカー様ニコニコ静画様に掲載されております。星野倖一郎先生による、人外と人の想いが胸に迫る、迫力がありつつ時に可愛く、時に切ない渾身の漫画化となっておりますので、ぜひともお読みください。こちらも原作者という立場を抜きにして大変に面白い漫画ですので、ぜひお読み頂ければ幸いです。人外×少女好きとして、綾里は感無量です。

コミッククリア様
コミックウォーカー様
ニコニコ静画様


また、「幻獣調査員」の特集ページも公開中ですので、ぜひご覧ください。
バナー

お知らせは以上となります。よろしくお願い申し上げます!

異世界拷問姫4巻/幻獣調査員2巻発売と両コミカライズのお知らせ

ドタバタしており、ご報告が遅くなってしまいました。申し訳ありません。
6月24日に「異世界拷問姫」4巻が発売されました。
ブログカバー
「我が名は『拷問姫』ジャンヌ・ド・レ、奴隷を虐げ世を救う、聖女にして阿婆擦れです」

今回は新キャラ登場、新たな章に進む巻となっております!色々と世界の裏側のわかる展開となっておりますので、ぜひお読み頂けますと幸いです。
詳しいあらすじについてはMF文庫J様のブログもご参照ください。

こちら、書店様によって特典がつきます。以下にまとめさせて頂きましたので、ご購入の一助にどうぞ。(リンクが貼ってある画像は、通販ページに飛べます)

アニメイト様

・A6サイズ4Pリーフレット
アニメイト様特典

SS:【拷問姫は機械人形の夢を見るか】が収録されています。題名の通りに、エリザベートとヒナのお話です。四巻の少し前の物語となっております。


BOOKWALKR様

・特典SS
BOOKWALKR様特典
特典SS 【拷問姫は愚鈍な従者の夢を見るか】がついてきます。こちらは、7月8日までの購入で付属するものとなりますので欲しい場合はお早めに願います。エリザベートと櫂人のお話です。

アニメイト様の特典とBOOKWALKER様の特典はこっそりセットのお話となっております。

そして「異世界拷問姫」ですが、なんとコミカライズをして頂きました。
コミカライズ
既に、1話、2話が掲載されていますが、イラストからもわかる通りの、大変に素晴らしいコミカライズとなっております。担当は倭ヒナ先生です。コミックウォーカー様とニコニコ静画様で読むことができますので、どうかよろしくお願い申し上げます。綾里も一読者として完全に楽しませて頂いている、渾身の漫画化となりますのでぜひ!倭ヒナ先生の超絶技巧をご堪能ください。

コミックウォーカー様

(こちらには綾里の短編小説も同時連載されています。鵜飼先生の素晴らしい挿絵つきです)
ニコニコ静画様


また、「異世界拷問姫」と「魔獣調教師 ツカイ・J・マクラウドの事件録」の合同サイトも公開中ですので、ぜひご覧ください。



作品の公式twitterも稼働して頂いていますので、よろしければフォローをお願いします。
(画像クリックでアカウントにジャンプします)
拷問姫アイコン



「異世界拷問姫」については以上です。



続きまして、まとめてのお知らせとなり大変申し訳ありませんが、
「幻獣調査員」2巻が6月30日の発売となります。
幻獣調査員2表紙
人外×少女でつむがれる残酷で優しい幻想幻獣譚、第2集!

今回は幻獣と人の共存について、踏み込んだ内容の話となっております。人外×人へのロマンをこれでもかと詰め込みました。また、今回も前巻と同様に、カクヨム掲載分だけでなく、文庫用の書き下ろしを読むことで印象の変わる物語となっております。

アニメイト様

・書き下ろしSS付きペーパー
アニメイト様特典

SS:【その日はお茶でも飲みながら】が収録されています。とある喫茶店での、フェリとクーシュナの甘いお話です。

ゲーマーズ様

・書き下ろしSS付きペーパー
ゲーマーズ様特典

SS:【あの日はお茶を飲みながら】が収録されています。雨に降られた先で、フェリとクーシュナとトローが会った老婆とのお話です。

アニメイト様とゲーマーズ様のお話も、こっそりと繋がっております。

そして「幻獣調査員」もですが、なんとコミカライズをして頂けることとなりました。
幻獣調査員漫画化
2017年夏よりコミッククリアでのWEB連載を予定しております。担当は星野倖一郎先生。またイメージイラストや設定画、ネームを拝見している段階ですが、世界観を活かした大変素晴らしい漫画化をして頂いております。フェリやトローの愛らしさ、クーシュナのかっこよさ、迫力ある幻獣達の画は必見なので、皆様にご覧いただける日を心より待ち遠しく思っております。今後続報をお伝えしていきますので、お気にかけて頂けますと幸いです。

また、「幻獣調査員」の特集ページも公開中ですので、ぜひご覧ください。
バナー

以上となります。よろしくお願い申し上げます!


異世界拷問姫3巻2/24発売・特典一覧

2月24日に「異世界拷問姫」3巻が発売されます。
<ブログ用表紙
「逃げろ。家族を作れ。もう誰も泣かせるな。幸福な一生を生きろ―――喜べ、瀬名櫂人。貴様の悪夢は、ここで終わりだ」

今回はエリザベート巻です!十四の悪魔、最後の三体との戦いです!今回もノンストップな展開となっておりますので、ぜひお読み頂けますと幸いです。
詳しいあらすじについてはMF文庫J様のブログもご参照ください。

こちら、書店様によって特典がつきます。以下にまとめさせて頂きましたので、ご購入の一助にどうぞ。(リンクが貼ってある画像は、通販ページに飛べます)

アニメイト様

・有償特典(アニメイト限定版)
ブログ外伝用表紙

+250円にはなってしまいますが、二巻と同様、鵜飼先生の描き下ろしカバーつきの文庫が付属します。本文95ページで読み応えがあります!本編が大変なことになっている分、獣耳に纏わる楽しい話になっておりますので、セットでお読み頂けますと幸いです。数量限定になりますので、確実に欲しい方は早めのご購入をお願いします。

・通常特典‐A.B-T.Cカード
ブログカード

二巻の外伝特典の表紙を使用したカードです。


ゲーマーズ様

・特製イラストカード
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3巻の新規キャラクターのイラストカードです。

とらのあな様

・書き下ろしSS入り4Pリーフレット
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書き下ろしSS掲載の4Pリーフレットになります。収録SSタイトルは「機械人形は親しき人の夢を見るか?」です。


メロンブックス様

・書き下ろしSS入り4Pリーフレット
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書き下ろしSS入りの4Pリーフレットです。収録SSタイトルは「機械人形は愛しき人の夢を見るか?」です。


今回は各書店様のSSで片方はヒナから櫂人に向けて、もう片方はヒナからエリザベートへ向けての話となっておりますので、それぞれ単発のSSとして読めますが、お友達とでも複数見る機会があった際には、並べて読んでみていただけますと嬉しいです。


また、「異世界拷問姫」と「魔獣調教師 ツカイ・J・マクラウドの事件録」の合同サイトも公開中ですので、ぜひご覧ください。




以上、よろしくお願い申し上げます。

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